「くじら」と呼ばれるビットコイン大量保有者のアドレス数は、過去2カ月にわたり減少を続け、14カ月ぶりの低水準となった。
・調査会社グラスノード(Glassnode)によると、7月12日時点で1万ビットコイン(BTC)以上を保有するアドレス数は103──2019年5月以来の低水準となった。この2カ月半で8%減少。
・1万ビットコインは、記事執筆時で約9300万ドル(約100億円)に相当する。
・「くじら」のアドレス数の減少を買い圧力の低下と見て、価格下落を予想する市場関係者もいるだろう。
・だが流動性プロバイダーGSRの共同創業者リチャード・ローゼンブルム(Richard Rosenblum)氏の味方は異なる。
・「大量保有者が手持ち資産を減らしていることは弱気傾向を示しているが、市場がより分散化していることは強気傾向を示している」(ローゼンブルム氏)
市場の変化か
この数カ月間、ビットコイン少額保有者のアドレス数が増加していることが同氏のコメントを裏付けている。
・例えば、12日時点で1000ビットコイン以上を保有しているアドレス数は2155件、4月の低水準2097から3%近く増加。
・さらに、1ビットコイン以上を保有しているアドレス数は過去最高を更新し続けている。0.1ビットコイン以上、0.01ビットコイン以上を保有しているアドレス数も同様。
・ビットコイン保有者は比較的少数の「くじら」から多数の少額投資家にシフトしていると言えるだろう。
・「時間の経過とともに、(ビットコインは)自然により多くの人の手に分散されると考えられる」ローゼンブルム氏
・ただし、1ユーザーや取引所が複数アドレスを所有している可能性があり、投資プラットフォームeToroのアナリスト、サイモン・ペーター(Simon Peter)氏は「クジラはリスク管理のために、複数のアドレスを使っている可能性がある」と述べた。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Shutterstock
原文:Drop in Bitcoin ‘Whale’ Addresses Suggests Market May Be Decentralizing