暗号資産(仮想通貨)のスマートコントラクトとチェーン外のさまざまなデータを結びつける、いわゆるオラクルサービスを提供するチェーンリンク(Chainlink)が個人投資家から大きな関心を集めている。
グーグルトレンド(Google Trends)によると、世界における「Chainlink(チェーンリンク)」の検索は7月12日の週に100に達し、前週の2倍以上になった。100はGoogleトレンドの最大値。
チェーンリンクに対する個人投資家の関心は、チェーンリンクのトークン「LINK」の急激な価格上昇によるものだろう。
価格上昇が続くチェーンリンク
LINKはチェーンリンクネットワークでの支払いに使われるERC-20トークン(ERC-20規格に準拠し、イーサリアムネットワークで発行される暗号資産)。価格は7月13日に過去最高の8.48ドルとなり、先週だけで50%上昇した。
記事執筆時には大手取引所で7.90ドル付近で取引されており、月初から73%、年初から350%高騰している。
暗号資産データ企業メッサーリ(Messari)によると、LINKは今年最もパフォーマンスの高い暗号資産の一つで、時価総額でも第10位となっている。
LINKの価格上昇は、成長を続けるDeFi(分散型金融)分野においてチェーンリンクの採用が増えたことが要因となっているようだ。また、チェーンリンクは中国の国家ブロックチェーン構想にも参画している。
暗号資産や他の金融資産などの検索は通常、価格急騰中に増加する。だからといって多くの場合、投資家が増えたことを意味するわけではない。個人投資家は大きな価格変動を嫌う。
しかしLINKの場合、検索数の急増とともに、新規アドレス数、アクティブアドレス数は急増。個人投資家の関心の高まりは買い圧力につながっているようだ。
ブロックチェーン分析企業サンティメント(Santiment)によると、1日のアクティブアドレスの数は7月8日、13カ月ぶりの高水準の9263となり、ネットワークの成長を表す新規アドレス数は同じく12カ月ぶりの高水準の4517となった。
1日のアクティブアドレス数は年初から800%、新規アドレス数は900%の増加となっている。
超強気の市場心理?
チェーンリンクの長期的な見通しは、ベースレイヤープロトコルからミドルウェアサービスへのシフトが進行していることから明るいように思えるが、短期的には市場心理は過度に強気になっている恐れがある。
「チェーンリンクを取り巻く状況は、誰も何も理解していないことを証明している。暗号資産のファンダメンタルズは基本的にはマクロな市場心理、錬金術、そして動物的な衝動。私はチームが取り組んでいることは大好きだが、トークンは途方もないことになっている。理解できない」とメッサーリの創業者ライアン・セルキス(Ryan Selkis)氏は7月13日、ツイートした。
一方、サンティメントがソーシャルメディアの1000以上のチャンネルを追跡したところによると、「link token」は現在、暗号資産関連のソーシャルメディアでトップの人気ワードとなっている。
「通常、暗号資産の名前が最新トレンドリストのトップに表示されると、価格は次の12日間で平均8.2%下落する」とサンティメントのアナリスト、ディノ・イビスベゴビッチ(Dino Ibisbegovic)氏はCoinDeskに語った。
翻訳:下和田 里咲
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:CoinDesk
原文:Google Searches for Chainlink Hits High as Link Token Rallies