暗号資産(仮想通貨)のイーサリアムクラシック(ETC)は8月6日朝、4000ブロック以上が再編成(リオーグ)された。今週2度目の51%攻撃だ。
マイニングプールEthermineの親会社Bitflyと、暗号資産取引所バイナンス(Binance)は、再編成にともなうイーサリアムクラシックのすべての支払いと、入出金の停止を発表した。攻撃者が取得した金額は不明だ。
イーサリアムクラシックの開発者は、Bitflyの報告の数分前に取引所とマイニングプールに対してツイートで、「すべての預け入れ金と着信トランザクションの確認時間を大幅に増やすよう」助言していた。
チェーンの再編成は、攻撃者が他のすべてのネットワークマイナーよりも多く(つまり「51%」)のハッシュパワー(演算能力)を獲得したときに発生する。攻撃者はチェーンの履歴を書き換えることができ、ブロックチェーンのネイティブ通貨、今回の場合はイーサリアムクラシック(ETC)の「二重支払い」を受けることができる。
イーサリアムクラシックのハッシュパワーは、8月3日の1.6テラハッシュ/秒(TH/s)から記事執筆時点では1.3TH/sに低下している。
今週1回目の51%攻撃
ブロックチェーン分析会社Bitqueryによると、今回の攻撃は7月29日〜8月1日の間に発生した攻撃に続くもの。
イーサリアムクラシックの開発者は当初、前回の攻撃ではネットワークが再編成や51%攻撃に襲われたわけではないと述べていた。しかしBitqueryは5日、攻撃者はおよそ80万ETC(約560万ドル、約5億9000万円)の二重支払いを受けることが可能だったとしている。
今回の攻撃は、7月16日に主要クライアントソフトウエアのOpenEthereumが、イーサリアムクラシックのサポートを打ち切った後に発生した。大手マイナーや取引所を含め、ネットワークのノードの半数近くがOpenEtheruemで運用されていた。
イーサリアムクラシックの開発者は、ノード運営者に対して可能な限り早くBesuやMulti-gethに切り替えることを求めている。イーサリアムクラシックは記事執筆時点で7.03ドル、24時間で約1%下落した。
過去にも大規模な再編成
イーサリアムクラシックはこの2年間で少なくとも2回、大規模な再編成(リオーグ)攻撃を受けている。
Bitqueryによると、今週の1回目の攻撃では攻撃者が7月29日〜31日にかけて約80万7000ETCを取引所から複数のウォレットに移し、その後、取引所に送信した。送り先の取引所について、Bitqueryはマルタに拠点を置くオーケーエックス(OKEx)と見ている。
Bitqueryによると、記事執筆時点では、51%攻撃で奪われた資金はオーケーエックスから移動していないという。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Shutterstock
原文:Ethereum Classic Suffers Second 51% Attack In a Week