ビットコインのハッシュレートが過去最高に──価格との相関関係は？

ビットコインのマイニング（採掘）に使われる計算能力を示すハッシュレートが、過去最高を記録した。ビットコイン価格にどう影響するのか。

Glassnodeのデータによると、ビットコインのハッシュレートの7日平均は先週末、129.03テラハッシュ/秒（TH/s）となり、過去最高値に達した。

ハッシュレートの上昇は強気の価格シグナルとも言われている。実際、ビットコインは過去2週間近く、1万2000ドルを下回るレンジで推移していたが、17日にようやく1万2000ドルを超えた。

今年初め、Boston Trading Co.のジェレミー・ブリトン（Jeremy Britton）CEOは、ハッシュレートの上昇によってマイナーは、新たにマイニングしたビットコインを売却するよりも、むしろ貯め込むことを余儀なくされ、下落圧力の軽減と底値の引き上げにつながっているとFinance Magnatesに語った。

一方、ブロックチェーン調査会社チェイナリシス（Chainalysis）のエコノミスト、フィリップ・グラッドウェル（Philip Gradwell）氏によると、ハッシュレートの上昇が必ずしも価格上昇につながるわけではない。

「マイナーは将来の価格予測を巧み行うようになっているが、それが価格上昇の原因になるわけではない」と同氏は17日、CoinDeskに語った。

ハッシュレートと価格の間の直接的な関係は、これまで見られなかった──2019年下半期、ハッシュレートが64%上昇して97TH/sになったにもかかわらず、ビットコインの価格は30%下落した。

Stack Fundの共同創業者でCOOのマシュー・ディッブ（Matthew Dibb）氏は、マイナーはビットコインの価格上昇を期待してハッシュレートを拡大している可能性があるが、2つの間に確立された相関関係が実際に存在するとは考えていないとCoinDeskに語った。

翻訳：CoinDesk Japan編集部
編集：増田隆幸、佐藤茂
画像：Shutterstock
原文：Bitcoin Price Holds Below $12K Even as Hashrate Hits All-Time High