イーサリアムの取引手数料が急騰、史上最高を更新した。
平均手数料は9月1日時点で10.33ドルで、中央値は5.68ドルとなった。平均取引手数料は8月13日に史上最高となる6.04ドルを記録。その時の中央値は3.03ドルをわずかに下回っていた。
取引手数料の高騰はイーサリアムブロックチェーンにとって「両刃の剣」であり、一部の潜在ユーザーを市場から排除する恐れがあると、調査会社メッサーリ(Messari)のアナリスト、ウィルソン・ウィシアム氏は言う。一方、手数料の上昇は「ネットワークの利用と需要の増加」を意味していると同氏は指摘した。
DeFiは富裕層のゲームに
手数料が上昇するなか、大量の取引を行う事業者は、ネットワーク負荷を軽減する技術を模索している。
例えば、手数料支払いで第2位を占めるステーブルコイン「テザー(USDT)」は、取引をオフチェーン(イーサリアムブロックチェーンの外)で処理し、ネットワークの負荷を軽減するスケーリング技術「zk-rollups」の採用を検討する予定だ。
「zk-rollupsのアイデアは、複数の操作(転送、スマートコントラクトのコールなど)を集約し、トランザクションを『圧縮』すること。イーサリアムのスケーラビリティの問題に対応できる現時点で最も包括的なL2(レイヤー2)ソリューションだ」とテザーのCTO、パオロ・アードイノ(Paolo Ardoino)氏はコメントした。
取引手数料の上昇は、主にDeFi(分散型金融)の爆発的な成長が原因だ。手数料の高騰により、DeFiは「徐々に富裕層だけのゲームになってきている」とウィシアム氏は述べた。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Shutterstocck
原文:Ethereum Transaction Fees Set a Record Once Again as DeFi Becomes Even Pricier