航空宇宙・防衛大手レイセオン・テクノロジーの子会社、レイセオンBBNテクノロジーズ(Raytheon BBN Technologies)は、アメリカ空軍研究所(AFRL)と49万5039ドル(約5200万円)の契約を結んだ。
契約のタイトルは「Characterizing the applicability and relevance of DLT (Distributed Ledger Technology) in Air C2」(CARDIAC)、日本語に訳すと、「空軍C2におけるDLT(分散型台帳技術)の適用可能性と関連性の評価」となる。
DLT、いわゆるブロックチェーンを活用して、空軍指揮官による空域監視とパイロットの安全性、攻撃能力を維持する能力に役立てる方法を検討する。C2は、Command and Controlの略語で「指揮統制」を表す。
契約についてわかっていることは、タイトル、当事者、金額、日付のみ。米CoinDeskはレイセオンBBNテクノロジーズとアメリカ空軍研究所にコメントを求めたが、まだ返答はない。
指揮統制システムの脆弱性を軽減
だが、ブロックチェーンの軍事的可能性を研究しているニール・バーナス(Neil Barnas)中佐は、ブロックチェーンは空軍のC2にとって資産となる可能性があるとCoinDeskに語った。
中佐は、現在中央集権的になっているC2システムを分散化することで、敵の攻撃に対する脆弱性を軽減することができると述べた。
「1つの指揮統制システムですべてを行ってしまうと、それが敵のターゲットになってしまう」と中佐は述べた(ただし、コメントは中佐が個人的な立場から述べたものだ)。
アメリカ空軍は今年、C2の近代化に数百万ドルを費やすことを明らかにしている。「高度に先進化されたツール」は、空軍兵士が「最先端の戦いで勝利すること」を支援すると2021年度予算概要には書かれている。
予算概要では、アメリカ空軍と2019年に設置された宇宙軍の戦闘能力を連携させる「Advanced Battle Management System(先進戦闘管理システム)」に4億3500万ドル(約460億円)を要求していた。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:F-35(Shutterstocck)
原文:US Air Force and Raytheon Are Studying How Distributed Ledgers Could Help Command the Skies