ビットコインが下落した8月中旬以降、市場の「押し目買い」心理は依然として強い。その状況はデータにも表れている。
押し目買い:市場が上昇傾向にあるとき、一時的な下落局面を狙って購入すること。
ビットコインは過去3週間で1万2400ドルから1万ドルに下落。データサイトのグラスノード(Glassnode)によると、ビットコインの「蓄積アドレス」はその間、2%増加して51万3000となった。
蓄積アドレス:少なくとも2回のビットコインの購入経験があり、かつ使用経験のないアドレス。
「毎日、多くの新しい買い手が現れては、供給を吸収している」とシンガポールのスリー・アローズ・キャピタル( Three Arrows Capital)のスー・チュー(Su Zhu)CEOは話す。
この指標にはマイナーや取引所のアドレス、7年以上前に使われたアドレスは含まれない。
下落は一時的な調整局面か
価格と蓄積アドレスの間に乖離があることから、投資家は最近の価格下落を強気相場における典型的な調整局面とみており、価格の再上昇を期待していることがうかがえる。
「市場は局所的な高揚感のあと、通常は強気相場の3分の1、あるいはそれ以上の引き戻しがある」とチューCEOは9月4日にツイートし、ビットコイン価格は8800ドルまで下落しても、まだ「健全な範囲」である可能性を示唆した。
ビットコインは9月3日に10%以上下落、弱気の反転パターンであるヘッド・アンド・ショルダー(三尊)のネックラインを下抜けし、6カ月間の強気相場のトレンドラインから逸脱した。
通常、このようなパターンはテクニカル分析による売り圧力を招き、価格はさらに下落する。
これまでのところ、ビットコインは1万ドルの抵抗線を維持しており、市場には強気心理が根づいているようだ。
「1万ドルに現れる強さに非常に驚かされている。この段階では5000ドルよりも10万ドルになる方が可能性は高いのかもしれない」とチューCEOは別のツイートで述べた。
翻訳:下和田 里咲
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:CoinDesk BPI
原文:Investors Buying Bitcoin Amid Price Slump to Near $10K, Data Shows