暗号資産(仮想通貨)、株式、通貨、コモディティなど複数資産に対応した取引プラットフォームのeToroは、DeFi(分散型金融)におけるイールドファーミングを活用して、暗号資産に裏付けられたステーブルコインを無料で配布する取り組みを開始した。
銀行口座を持たない、あるいは十分な銀行サービスを受けられていない多くの人がインターネットを通じて金融サービスを受けられる「金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン)」を促進することが狙いのようだ。
イールドファーミング:DeFiサービスに暗号資産を預け入れ、利回りを稼ぐこと。
イールドファーミングの成果を分配
「GoodDollar」と名づけられたプロジェクトでは、ユニバーサルベーシックインカム(UBI)の一形態として、ステーブルコイン「$G」を発行し、登録ユーザーに毎日配布する。UBIは、住民全員に毎月一定額の現金を一律に無条件に給付するという考え。
スタート時には、「$G」はステーブルコインのダイ(DAI)によって裏付けられる。だがその後、裏付け資産を多様化し、複数の暗号資産で構成されたバスケットで裏付ける計画になっている。
プロジェクトは、GoodDollarに暗号資産を預け入れるサポーターによって支えられている。集められた資産は、コンパウンド(Compound)やAaveのようなDeFi(分散型金融)サービスでイールドファーミングを行う。
利回りの一部はサポーターに還元され、残りは毎日分配される新しい「$G」トークンの担保として使われる。
GoodDollarはeToroからの寄付金で運営されているNPO(非営利団体)。アプリとウォレットは8日、発表と同時にリリースされた。発表によると、南アフリカやナイジェリア、ベネズエラなどで、数百の新しいウォレットが作られているという。
eToroの広報担当者は、2週間のテスト期間中に「10万以上のG$が250以上のユーザーに配布された」とCoinDeskに語った。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:CoinDesk archives
原文:DeFi Meets Universal Basic Income With Just-Launched Project From eToro