ブロックチェーンはツイッターの未来だ──Twitterとオンライン決済のスクエア(Square)のCEOを務めるジャック・ドーシー氏は今月、オンラインイベント「オスロ・フリーダム・フォーラム2020」でそう語った。
「ブロックチェーンとビットコインは、コンテンツが永遠に存在し得る未来を示している。我々はもはやコンテンツを提示するビジネスを行っているのではない。発見するビジネスをしているのだ」
つまりドーシー氏は、ツイッターが自社のウェブサイトからコンテンツを発信するのではなく、ユーザーがデータを提供したり、データにアクセスできる、オープンなツイッタープロトコルを非営利団体のブルー・スカイ(Blue Sky)が作成することを考えている。
誰もがアクセスできるブルースカイ
「(ブルー・スカイは)当社から完全に独立した非営利団体。我々はそのクライアントになることに注力し、誰もがアクセスできて、誰もが貢献できるような魅力的なサービスやビジネスを構築していく」
ドーシー氏はまた、ブルー・スカイはパブリックブロックチェーン・プラットフォームの開発を担当する、少なくとも5人のスタッフを探していると述べた。
「これはビットコインとブロックチェーンの世界で、最も根源的に見られること」とドーシー氏は中央集権型サービスプロバイダーから、多様なネットワーク参加者へのシフトについて語った。
「キーは、ますます個人の手に握られることになる」
匿名と偽名
ツイッターで多くの人が行っているビットコインについての情報発信についてドーシー氏は、健全な議論の場となっているだろうと述べた上で、ユーザーの身元情報を守ることの重要性についても触れた。
ツイッターは、いわゆるプロパガンダなどのユーザー行動を特定するため、機械学習ツールなどの活用を強化している。
「匿名と偽名の違いは理解している。偽名は作られたアイデンティティだ」
ツイッターは今年7月、ここ数年で最大規模となるハッキングを受けた。世界の著名人のアカウントを乗っ取り、ビットコインの支払いを求めた17歳のハッカーはまだ、フロリダ州で複数の詐欺容疑で裁判を受けている。
「セキュリティは決して完璧にはできないもので、常に戦わなくてはならない。個人に多くのキーを渡すことで、我々はますます安全になっていく」
翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:「オスロ・フリーダム・フォーラム2020」で語るジャック・ドーシー氏(スクリーンショット)
原文:Jack Dorsey Details Twitter’s Blockchain Strategy at Oslo Freedom Forum