ユニスワップ(Uniswap)は、預け入れ資産総額(TVL:Total Value Locked)がDeFi(分散型金融)プラットフォームとして初めて20億ドル(約2100億円)を超え、2カ月前のDeFi全体の規模を上回った。
ユニスワップはイーサリアム上でイーサ(ETH)やERC20トークンを交換するためのプロトコルで、DEX(Decentralized Exchange=分散型取引所)と呼ばれる。
データサイトのDeFiパルス(DeFi Pulse)によると、ユニスワップの預け入れ総資産額(TVL)は9月28日の未明(協定世界時)に、過去最高を記録。現在は20億6000万ドル(約2170億円)の暗号資産(仮想通貨)が預け入れられている。現在ユニスワップだけで、7月9日時点のDeFi全体の預け入れ総資産額を上回った。
記事執筆時点、DeFi全体の預け入れ資産総額(TVL)は110億ドル(約1兆1600億円)を超え、ユニスワップはその約18%を占めている。
大きく揺れ動いたユニスワップ
9月上旬、8億3000万ドル(約880億円)にものぼる預け入れ資産が競合のスシスワップ(SushiSwap)に移動し、ユニスワップのTVLは9月10までにわずか4億ドル(約420億円)まで減少した。しかし、スシスワップでの一連の騒動が始まる前、ユニスワップのTVLはわずか2億3000万ドルだった。
その1週間後、ユーザーを引き戻すためにユニスワップはネイティブトークン「UNI」を発表し、9月以前からユニスワップを使っているウォレットのアドレスに5億ドル(約530億円)以上を配布した。
UNIトークンによって、ユニスワップは直ちにユーザーを取り戻し、ユニスワップのTVLは同トークンの発表後わずか数日で約18億ドル(約1900億円)までに拡大。
ユニスワップは今後4年で、40億のUNIトークンを発行し、コミュニティに配布していく計画だ。
ユニスワップに次ぐ規模を持つDeFiプラットフォームは、ピア・ツー・ピア・レンディングのメイカー(Maker)で、TVLは19億6000万ドル(約2070億円)にのぼる。
翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Yemets/Shutterstock
原文:$2B Locked: Uniswap Now Bigger Than Entire DeFi Industry Just Two Months Ago