DeFiプラットフォームにデータを提供しているチェーンリンク(Chainlink)のトークン「LINK」は9月、CoinDesk 20の暗号資産(仮想通貨)の中で最も大きく下落した。
DeFi市場における一服感に加えて、株式市場でも11月の大統領選挙を目前に不透明感が高まっている。また、アメリカとヨーロッパで新型コロナウイルスの感染者が再び増加していることなどから、LINKの下げ圧力が強まっていると、暗号資産調査会社デルファイ・デジタル(Delphi Digital)の共同創業者アニル・ルラ(Anil Lulla氏)は述べた。
DeFi市場では次々と新しいプラットフォームが登場し、トレーダーの間ではこれまで、今後も急速な成長を続けるとの見方が聞かれた。しかし、9月の成長の鈍化は、DeFiトークンの売却につながった。
「暗号資産のパフォーマンスは8月におそらく過去最高だった。今回のような多少の落ち込みは珍しいことではないと考えている」(ルラ氏)
DeFiトークンの月次の価格変動はビットコイン(BTC)よりも大きく、8月に2.6%上昇した後、9月には7.9%下落した。
トレーダーはビットコインに回帰か?
ビットワイズ・アセット・マネジメント(Bitwise Asset Management)のマシュー・ホーガン(Matthew Hougan)氏は、LINKトークンは下落前までの1年間で、10倍に上昇していると指摘。第3四半期だけでも、ビットコインやイーサリアムを大きく上回っている。
「背景や環境は根本的になにも変わっていないと考えている。DeFiマーケットは少し先走っており、現在はある意味リセットされる最中にある」(ホーガン氏)
オプション市場のデータを見ると、ほとんどのDeFiプラットフォームの基盤となっているイーサリアムのネイティブトークン(ETH)には一服感が見られる。
一方のビットコインは29日、1万836ドルで取引を終え、終値が1万ドルを超えた日は65日連続となり、記録を更新した。
ノルウェーの暗号資産調査会社Arcane Researchは、ビットコインブロックチェーンの1日あたりのアクティブアドレス数は先週、2018年1月以来の高水準に急上昇したと指摘した。
「これは健全なサインであり、ビットコインの普及と利用が増加していることを示している」と同社はニュースレターに書いている。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:TradingViewより
原文:First Mover: Chainlink’s Sorry September Returns Shows DeFi Hysteria Deflating