コインベース、手厚い退職手当を用意──企業文化に不満を持つ社員に

大手暗号資産(仮想通貨)取引所「コインベース(Coinbase)」のブライアン・アームストロングCEOは9月30日、「Coinbase Is a Mission-Driven Company」と題した手紙を社員に送り、自身が明らかにした企業ミッションへの同意を求め、「難しい会話」をするときが来たと記した。

米CoinDeskはこの手紙を入手、この件に詳しい人物は匿名を条件に手紙が本物であることを認めた。コインベースは、新方針に対して不満を感じる社員が存在していることは認識していると述べた。

暗号資産の普及拡大に集中

手紙に先立ってアームストロングCEOは27日に公開したブログの中で、コインベースは暗号資産の普及拡大に「集中」するとし、コインベースが「政治色のないカルチャー」を持ち、「より広範な社会問題」に関わったり、こうした問題についての社員との議論を歓迎しないと書いていた。

新しい「カルチャー・シフト」を不満に思うスタッフには、「楽しくない会社で仕事をするには人生は短すぎる」として、手厚い退職手当も選択できることが告げられた。

アームストロングCEOは「多くの社員」が今回の「カルチャー・シフト」についてまだ検討していることを理解しており、社員からのどんな質問にも回答するとしている。

退職を希望する社員は、10月7日までに書類を提出ことが求められ、10月7日以降は全員が新しい方針に同意したものと見なされる。

「全面的に同意しなければならないという意味ではない。反対することはできるが、新方針を成功させることに全力を尽くさなければならない」とアームストロングCEOは手紙に書いている。

手紙は以下。

Armstrong Letter by CoinDesk

翻訳:石田麻衣子
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Coinbase CEO Brian Armstrong(CoinDesk archives)
原文:Coinbase Offers Severance Package to Employees Unsatisfied With ‘Apolitical’ Mission