DEX(分散型取引所)の取引高は、DeFi(分散型金融)人気が継続したことで8月の116億ドルから9月は236億ドル(約2兆5000億円)に達した。デューン・アナリティクス(Dune Analytics)の調査でわかった。
大手DEXのユニスワップ(Uniswap)は9月、8月の取引高をわずか10日間で上回り、最終的に128%増の153億ドル(約1兆6000億円)に達した。
また取引高の増加は、暗号資産デリバティブ取引所FTXの「Serum」のような新しい取引プラットフォームが登場したことも要因となった。データサイトのCoinGeckoによると、Serumの取引高は立ち上げから2週間も経たないうちに5000万ドル近くに達したという。
分かれる明暗
取引高の合計が記録を更新したにもかかわらず、取引高が増加したDEX(分散型取引所)は数カ所にとどまった。8月から50%以上増加したのは3カ所で、カーブ(Curve)、ユニスワップ、0xだった。
カーブとユニスワップの継続的な成長の主要因は、トークン配布の成功にあると、データサイトのメッサーリ(Messari)のDeFiアナリスト、ジャック・パーディー氏は話す。
トークン配布によってユーザーからの支持を集め、預け入れ資産(TVL:Total Value Locked)を大幅に増加させることで、「間違いなくプラットフォームにメリットを生み出している」とパーディー氏。
9月、以前は人気を集めていたバランサー(Balancer)の取引高は2%減少し、同じく急成長していたカイバー(Kyber)の取引高は0.5%に満たない増加となった。
ユニスワップとカーブが持つユニークで強力なインセンティブが、「同じようなインセンティブを持たない他の分散型取引所から取引高を奪った」とパーディー氏は語った。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Dune Analytics, CoinDesk Research
原文:Decentralized Exchange Volume Rose 103% in September to Record $23.6B Even as Growth Consolidated