プライバシーを重視した匿名性の高い暗号資産「モネロ(XMR)」の価格は、規制当局の懸念が続いているにもかかわらず、上昇を続けている。
CoinDesk 20のデータによると、モネロは26日に139ドル(約1万4600円)まで上昇し、2018年9月以来の最高値を更新した。当記事執筆時点には135ドル付近で取引されており、年初から200%上昇した。この7週間で50%以上、値を上げたことになる。
米内国歳入庁のIRSは1カ月前、モネロの取引を追跡できる技術を開発できる人材の確保に乗り出した。背景には、ユーザーのプライバシー保護を最優先にされる暗号資産の人気が高まる中、その特性を利用した犯罪に対する取り締まり強化の動きがある。
欧州警察がアラート
EU(欧州連合)の法執行機関であるユーロポール(欧州刑事警察機構)は、今月初めに発表した「2020年インターネット組織犯罪脅威評価(2020 Internet Organized Crime Threat Assessment)」の中で、人気のプライバシー強化型の暗号通貨ウォレットなどを「一番の脅威」にあげている。
「IRS(米内国歳入庁)は、ステーブルコインと同レベルの情報を得ることを求めている。だが、暗号技術者や研究者は常に一歩先を行っている」とモネロの管理者の「フラフィポニー(Fluffypony:ふわふわのポニー)」こと、リカルド・スパーニ(Riccardo Spagni)氏はCoinDeskに語った。
規制当局の動きは、広く市場が上昇傾向にあるなかで、モネロへの注目度を高めている可能性が高い。
一方、ブロックチェーンセキュリティ大手サイファートレース(CipherTrace)のデビッド・ジェバンズ(David Jevans)CEOは今月初め、「投機目的の投資家やアルゴリズムトレーダーが価格上昇に拍車をかけている可能性がある」とコメントしている。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:CoinDesk 20
原文:Monero Reaches 2-Year High, Taking YTD Gain to 200%