米リップルがSBIホールディングスの子会社マネータップに出資する。SBIホールディングスが10月28日発表した。出資額は公表されていない。マネータップは、リップルのグローバル金融決済ネットワークRippleNet(リップルネット)の技術を使っており、今回の出資を機にリップルとの連携を深め、「少額集金サービスや法人支払い機能、地域通貨Pay、海外送金サービス、インバウンド・アウトバウンド決済サービス、サプライチェーンファイナンス機能などの新機能・新サービス開発を加速」させるとしている。
「日本の銀行間手数料の高止まりは国際的にも特殊な状況」
リップルネットは、分散型台帳技術を使うことで、送金銀行と受取銀行を直接接続し、分散型台帳を通じた情報の共有ができるような仕組み。国際送金では、遅延やコスト高、不確実性や不透明性などが問題視されているが、これらの解決を図っており、数百社の金融機関などが採用している。
マネータップが提供しているスマートフォン向けアプリMoney Tapでは、銀行口座番号だけではなく、携帯電話番号、QRコードのいずれかがあれば振込先として指定し、自行内・他行宛を問わず銀行口座間での送金できる。
SBIは発表で、「日本の銀行間手数料の高止まりは40年以上是正されておらず、国際的にも特殊な状況」と指摘。「マネータップは次世代金融インフラを提供する事で、硬直化した既存の決済インフラの料金水準に対して健全な競争原理を働かせ、経済活動の活性化や国際競争力の向上に貢献」「送金等の一般利用者における振込手数料などの引き下げにも貢献できる」などとコメントした。
マネータップには、SBIホールディングスや住信SBIネット銀行、大和証券グループ本社などのほか、三井住友銀行、三井住友信託銀行、足利銀行や大垣共立銀行、セブン銀行などの金融機関が出資している。
文・編集:濱田 優
画像:MoneyTap Webサイトより