高額の身代金要求するランサムウェア。支払われた仮想通貨9割増:2019年Q1

ランサムウェアが要求する身代金支払いの手助けをする企業コーブウェア(Coveware)によると、身代金として支払われた仮想通貨の額は2019年第1四半期に急増した。

同社の四半期報告書は、2018年第4四半期に6733ドル(約75万3550円)だった平均身代金額が、3カ月で89%増加し、2019年第1四半期の平均は1万2762ドル(約140万円)となったことを明かした。

同社によると、要求される仮想通貨の額が急増したことは、「Ryuk」、「Bitpaymer」、「Lencrypt」などより高価格な種類のランサムウェアが増えつつあることに起因する。攻撃を受けた被害者のファイルは暗号化され、解除するには身代金を仮想通貨で支払わなくてはならない。

「これらのランサムは主に、比較的規模が大きい企業を対象として、個別にカスタマイズされた標的型の攻撃に用いられている」とコーブウェアは述べている。

ランサムウェアの中で、マーケットシェアが現在急上昇しているのが、Ryuk。今年第1四半期のマーケットシェアにおいて、トップ2は順にDharma/CrySiSと「GandCrab」で、Ryukは3位に入った。Ryukが前四半期はトップ3に入っていなかったことを踏まえると、このことは注目に値するだろう。

Ryukが攻撃対象とする企業の規模は他のランサムウェアよりも大きい。また、同ランサムウェアが要求する身代金はその他のものよりもはるかに高い。例えば、Dharmaが要求する身代金額の平均が9742ドルなのに対して、Ryukの平均は28万6556ドル。

身代金に指定される仮想通貨の2%は、ダッシュ(DASH)のようなプライバシーコインだが、攻撃者に最も好まれる仮想通貨は依然としてビットコインであり、今後もそうである可能性が高いとコーブウェアは付け加えている。

翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Malware image via Shutterstock
原文:Malware Crypto Ransoms Rose By Almost 90% in Q1: Report