リップル、ドバイに中東アフリカ拠点を開設──金融機関との関係深める
リップル社が中東・北アフリカ(MENA)地域の拠点をドバイ・インターナショナル・ファイナンシャル・センター(DIFC:Dubai International Financial Centre)に開設したと、エミレーツ・ニュース・エージェンシー(Emirate News Agency)が11月7日に報じた。
DIFCは公式Webサイトによると、2400以上の企業が入居した独自の「独立した司法システムと規制フレームワーク」を備えた金融ハブだ。同社で南アジアと中東・北アフリカを統括するマネージング・ディレクター、ナヴィン・グプタ(Navin Gupta)氏は「我々はすでに中東・北アフリカにかなりの顧客を抱えており、顧客と近い場所に拠点を構える機会という点でDIFCは当然の選択だった」と語った。
ゲーム大手カプコンにサイバー攻撃、身代金をビットコインで要求か:報道
サイバー犯罪集団がゲーム大手のカプコンの機密情報を不正に入手し、外部に流出させない見返りに同社に取引を要求していると、日本経済新聞などの国内の報道機関が報じた。
日経の報道によると、「RAGNAR LOCKER」を名乗る集団が9日、カプコンへのサイバー攻撃に成功し、社員や顧客の個人情報を含む約1テラバイトのデータをダウンロードしたとインターネット上で犯行声明を発表。外部に流出させない見返りに11月11日午前8時(日本時間)までの同組織への返答を要求したという。
カプコンは11月4日、第三者からの不正アクセスを受けた事実を発表している。同社は現在、捜査当局に相談し、調査を続けている。カプコンに不正アクセスを行ったのが実際にRAGNAR LOCKERであるかは分からない。
朝日新聞は11月9日、カプコンの社内サーバーやコンピュータの一部がランサムウェアに感染し、同社の一部の業務が一時的に停止に追い込まれたと報じた。ランサムウェアに感染すると、利用者のアクセスは制限される。ランサムウェアの作成者は、被害を受けた企業などにその制限を解除するための身代金を要求する。
ブロックチェーンゲーム「My Crypto Heroes」がガバナンストークン「MCH Coin」を発行
double jump.tokyoが運営する「My Crypto Heroes」(マイクリプトヒーローズ、以下マイクリ)が11月9日、ガバナンストークン「MCH Coin」を発行を始めた。ユーザーの流動性提供によってUNISWAPでも取引が可能。MCH Coinを軸とし、マイクリエコシステムの活性化、及びその先の「ユーザー主体の運営」の実現を目指すという。
LINEのデジタルアセット管理ウォレット「BITMAX Wallet」、ブロックチェーンサービスリストを追加
LINEの暗号資産・ブロックチェーン事業を展開するLVCは11月10日、デジタルアセット管理ウォレット「BITMAX Wallet」に、ブロックチェーンサービスリストを追加した。
ウォレットの「その他」タブ内に追加されたのは、LINEの独自ブロックチェーン「LINE Blockchain」が基盤のブロックチェーンサービス一覧。紹介ページから公式ページやアプリダウンロードページにアクセスができる。
「BITMAX Wallet」は2020年8月から提供されているデジタルアセットを管理するブロックチェーンウォレット。LINE IDがあれば作成でき、ブロックチェーンサービス内のトークンやアイテムなどのデジタルアセットをまとめて管理可能。ユーザーは1つのウォレットで様々なブロックチェーンサービスを利用できるわけだ。LINE IDに紐づくため、LINEの友だちと手軽にデジタルアセットを送り合ったり、交換したりもできる。
PwCがブロックチェーンラボラトリー開設、グループ各国法人・ラボの取り組みの発信も
PwCコンサルティングは11月11日、ブロックチェーンを活用して企業や社会の課題解決を支援する「Blockchain Laboratory(ブロックチェーンラボラトリー)」を開設した。PwCは既にブロックチェーン開発のラボが複数あり、100人以上の技術者を含む計500人以上のスタッフがいるといい、今回設立するラボは、PwCの各国法人が有するブロックチェーンに関する幅広い情報を集積して発信する。
所長はPwCコンサルティング合同会社のシニアマネージャー、丸山智浩氏が務める。当面は、専任担当者8人を中心に社内有識者と連携した組織を立ち上げ、順次体制を拡充する予定だ。
BGINの第1回ミーティング、23〜25日開催へ
金融庁は11月11日、ブロックチェーンに関する国際的なネットワークである「BGIN」(Blockchain Governance Initiative Network)の第1回ミーティングをオンラインで開催すると発表した。
日程は11月23日から25日までの日本時間21:00-24:00(12:00-15:00 UTC)。分散型金融システムのガバナンスについての議論が行われる。事前に登録すれば誰でも参加できるという。詳細はこちら。
Gaudiyがブロックチェーンを活用したマンガAI翻訳システムを共同開発、Mantra社と
ブロックチェーンなどを活用したエンタテインメント業界のDXを推進するGaudiyは11月12日、AIとブロックチェーンの活用により、漫画の多言語翻訳と海外販売を低コストかつ高速に実現するサービスの共同開発を始めたと発表した。パートナーは、マンガに特化した機械翻訳技術および法人向けサービス「Mantra Engine」の開発を行うMantra社。
Gaudiyは、IP独自のコミュニティを簡単に提供できる事業を展開、既に集英社やコミックマート社などの大手企業にも提供を開始している。コミュニティには多くの海外ユーザーも参加、ブロックチェーンを活用したNFT電子書籍も展開。海外ファンに電子書籍を直接販売できるといった特徴がある。
本プロジェクトの構想では、マンガAI翻訳技術とトークンエコノミー(コミュニティ)を通して、即時性の高い、漫画の多言語翻訳と海外販売までを一貫して実現するという。
同社によると、漫画の翻訳は、固有名詞の多さや作品特有の言い回しなど、通常の翻訳とは違った難しさがあるという。Mantra社が提供するMantra Engineの翻訳精度は30~70%程度(言語や作品による)で、現状人力での修正は欠かせない。そこでGaudiyが提供するコミュニティを通して、海外ファンが様々な形で翻訳結果の修正に参加・協力できる仕組みを作る計画だ。貢献したファンには翻訳された漫画の販売収益の一部を貢献度に応じて分配するなど、トークンエコノミーを活用した適正な価値還元も実現したい考え。
同社は「多言語翻訳と海外販売を企業は低コストで実現でき、海賊版により毀損されていた日本のIPビジネスのさらなる海外市場成長を実現」すると述べている。
JCBAが自民党に税制改正要望を提出「暗号資産取引の利益、税率20%の申告分離課税に」
日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は11月12日、自民党の「予算・税制等に関する政策懇談会」に出席し、暗号資産についての2021年度税制改正要望書を提出したと発表した。
JCBAによると、政策懇談会は11月4日に開催されたという。金融・証券関係団体への要望聴取と意見交換が行われ、廣末紀之会長、幸政司専務理事が出席した。JCBAの要望書の要点は次の3つだ。なおこれらは昨年度にも同じ内容の要望をしていたが、かなっていない(日本暗号資産取引業協会=JVCEA=も同様の要望をしていた)。
(1) 暗号資産のデリバティブ取引について、20%の申告分離課税とし、損失については翌年以降3年間、デリバティブ取引に係る所得金額から繰越控除ができるようにする
(2) 暗号資産取引の利益への課税方法を20%の申告分離課税とし、損失については翌年以降3年間、暗号資産にかかる所得金額から繰越控除ができるようにする
(3) 暗号資産取引にかかる利益年間20万円内の少額非課税制度を導入する
暗号資産取引による所得は「雑所得」に位置付けられ、ほかの所得と損益通算ができない。金額によっては税率は最大55%(所得税40%、住民税15%)となる。これに対して株式取引やFXは、他の所得とは分離して、確定申告によって税金を納める“申告分離課税”が適用され、税率は20%(所得税15%、住民税5%)(ただし2037年までは、東日本大震災からの復興の財源とするための「復興特別所得税」0.315%も課税される)。
ビットコインが170万円突破、過去最高値を更新するのか?
ビットコイン(BTC)価格が11月13日、170万円台に突入した。12日夜にも170万円を突破したものの、一度166万円程度にまで下落。その後再上昇し、13日午前10時過ぎの段階で173万円前後で推移している。
ビットコイン(BTC)は2カ月で大幅に上昇し、33カ月ぶりの高値を記録。1万6000ドルは目前だ。11月12日にほぼ3年ぶりに1万6000ドルを突破したばかり。
価格上昇は9月上旬、ビットコインが1万ドルを切った頃に始まり、10月後半に勢いを増した。ビットコイン価格は先週、2018年1月以来の高水準となる1万5971ドルとなり、CoinDeskのBitcoin Price Indexによると、8週間で63%の上昇となった。
2018年と2019年、ビットコインはしばしば1万ドルを割って低迷、2017年末に記録した2万ドル近い史上最高値の後の暴落からの回復に苦戦していた。
ビットコイン、過去最高値を更新するか?
ビットコインが円建てで最高値をつけたのは2017年12月17日のことで、222万7,388円を記録している(Bitcoin日本語情報サイトによる)。今からおよそ1年前、2019年12月17日ごろはビットコイン価格は75万円程度だった。
そして3年が経過しようとしている今、あらためて最高値をうかがう水準にまで達し、更新の可能性を指摘する声も聞かれるようになっている。
文・編集:濱田 優
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