GMOインターネットグループが、世界初となる日本円に連動する暗号資産(ステーブルコイン)の発行を開始する。ニューヨーク州で設立した子会社を通じて、同州の金融サービス局からライセンスを取得した。
GMO Trust(GMO-Z.com Trust Company Inc)が開発したのは、日本円に連動するステーブルコイン「GYEN」と、米ドルペッグの「ZUSD」の2種類。GMO Trustはニューヨーク州の特定目的信託会社の許認可を取得し、2021年から米国などの海外市場での流通を開始する。GMOが30日に発表した。
GMOは暗号資産事業の拡大を図るため、2017年に暗号資産交換事業(取引所)と暗号資産のマイニング事業を開始。日本円に連動するステーブルコイン「GYEN」の発行を巡っては、2018年から研究開発を進めてきた。
ステーブルコインは法定通貨に連動することで、その価値が裏付けらているため、流通量は世界的に急増している。coindeskのデータによると、米ドルに連動するステーブルコインでは、テザー(USDT)が最大で、その時価総額は約214億ドル(2.2兆円)に拡大している。
GMOは、マネーロンダリング規制や経済制裁規制への対応、サイバーセキュリティなどの審査基準を満たすNY州の特定目的信託会社のライセンスを取得し、GYENとZUSDを発行するための準備を整えた。
編集:佐藤茂
写真:Shutterstock