イーサリアム、一時1150ドル超、2018年1月以来の高値

暗号資産「イーサリアム(ETH)」の価格上昇が目立っている。

CoinDesk 20のデータによると、イーサリアムは1月4日6時35分(協定世界時)頃、1151ドル(約11万9000円)まで上昇し、2018年1月以来の高値を記録した。12月最終週には40%以上も値を上げ、1週間の上げ幅としては、2018年12月以来、最大となった。

「イーサリアムは価値の保存手段としてのストーリーを確立していないが、比較的低い価格が、ビットコインの利益に酔ったウォール街の投資家たちにとって抗しがたいものになっている」と香港に拠点を置くブロックチェーン投資会社ケネティック・キャピタル(Kenetic Capital)のジェハン・チュー(Jehan Chu)CEOはコメントする。

5日13時30分時点(日本時間)、価格は1010ドル付近を推移しており、2017年1月に記録した最高値の1433ドルからは30%低い。

ビットコインは2107年12月に記録した最高値を更新し、現在、3万1300ドル付近で取引されている。米マイクロストラテジー(MicroStrategy)などの複数の北米企業が2020年下半期、資金の一部をビットコインに投資する動きを強めている。

機関投資家の次の狙いはイーサリアムか

チュー氏によると、マイクロストラテジーのマイケル・セイラー(Michael Saylor)CEOやスカイブリッジ・キャピタル(SkyBridge Capital)を率いるアンソニー・スカラムッチ(Anthony Scaramucci)氏らは、次にイーサリアムに投資すると見られている。

「彼らが投資すれば、2000ドルへの急上昇が期待できる」

シンガポールに拠点を置くシグナム・キャピタル(Signum Capital)のマネージングパートナー、ジョン・ング・パンギリナン(John Ng Pangilinan)氏も、イーサリアムは最高値を更新できるだろうと述べた。

「イーサリアムの取引高は、ビットコインの取引高に近づいている。これは、強気筋によるイーサリアムへの強気の動きを示している」(パンギリナン氏)

24時間取引高ではビットコインを上回る

データサイトのクリプトコンペア(CryptoCompare)によると、大手取引所のおける過去24時間の取引高は、イーサリアムが190億ドルを超えたのに対し、ビットコインは160億ドルだった。

暗号資産の24時間での取引高
出典:CryptoCompare

時価総額で見ると、ビットコインの6000億ドルに対して、イーサリアムは1200億ドル。

需要の増加に加えて、イーサリアムの上昇はセルサイド(売り手)の流動性の枯渇もその要因となっているようだと、韓国に拠点を置くブロックチェーン分析企業、クリプトクワント(CryptoQuant)のキ・ヨン・ジュ(Ki Young Ju)CEOは述べた。

ビットコインとイーサリアムの取引所の保有高(残高)
出典:CryptoQuant

取引所のイーサリアムの保有量は2020年5月時点に比べて、20%減少している。投資家はイーサリアムを自身で直接保管しているか、DeFi(分散型金融)やイーサリアム2.0でのステーキングにイーサリアムを移動させている可能性が高い。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:CoinDesk
原文:Ether Price Passes $1,150 to Hit Highest Since January 2018