金とビットコインの価格が逆相関する動きを見せている。金が2019年2月中旬から約6%も値を下げる中、ビットコインの強気基調が目立っている。
金とビットコインの90日間相関係数は現在、マイナス0.71。3月20日以来の最低水準に位置する。係数がマイナスである場合、2つの変数は逆相関であることを意味する。すなわち、金とビットコインの価格は反対方向に推移することになる。
現に金は2018年11月13日、1,200ドル(1オンスあたり)近辺を漂い、12月末には抵抗線の1,300ドル付近に位置した。同期間、ビットコインは6,200ドルから3,122ドルまで急落している(Bitstampデータ)。
注意すべきは、相関が因果関係を必ずしも意味するものではないということ。2つの変数が強い相関をもたらす際、一方が他方に影響するとは限らない。
金の上昇が見られた11月〜12月、市場には米連邦準備制度理事会(FRB)が2019年に利上げを見送るとの見方が広がった。憶測はドル安を招き、金価格の上昇を後押ししたと言える。一方、ビットコインはドル売りからの恩恵を受けず、同期間に15ヶ月間で最も低い水準まで値を下げた。
今年の第1四半期、金とビットコインの逆相関は一度は弱まりを見せた。ビットコインが2月終わりに4,000ドルまで回復すると、金価格は1,346ドルの高値をつけるなどして上昇トレンドに乗る。
2月末、FRBの利上げ見送りが確認されると、「噂で買って、ニュースで売る」と言われるように、金は売りが買いを勝り、下方圧力がかかった。実際、金価格は1,300ドルを割り込み、現在(同記事作成時)1,270ドル近辺で取引されている。2月につけた高値から5.6%も下落した。
金が1,300ドルを下回る水準に落ち着いた2日後の4月2日、ビットコインは抵抗線の4,236ドルを突破。ビットコインはさらに強気基調を維持し、5,622ドルをつけて5ケ月ぶりの最高値を記録した。ビットコインが金との逆相関をリバイブさせた瞬間である。
テクニカルチャート上、金は現在、弱気基調を形成している。繰り返しになるが、相関は常に因果関係を意味するものではない。しかし、金の弱気基調は、ビットコイン価格の行方を分析する上で、手がかりの1つになるのかもしれない。
翻訳・抜粋:CoinDesk Japan
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Shutterstock
原文:Bitcoin-Gold Price Correlation Shows Widest Spread in Over a Year