ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は史上最高値から離れつつあるよう見えるが、アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)が活発な動きを見せている。一部のトレーダーや投資家がリターンを求めて、アルトコインに手を伸ばしているようだ。
CoinDesk Researchがまとめたデータを見ると、1月11日時点でビットコインとイーサリアムの価格は、それぞれ史上最高値の87%、78%の水準で推移している。一方、CoinDesk 20に含まれている他の暗号資産は、史上最高値からほど遠い。
ビットコインとイーサリアム“以外”の暗号資産は、昨年12月からのビットコインの値動きを背景に、さらに価格が上昇する可能性があるという。
「(1月11日の)反落の前後に(アルトコインの)上昇が見られた。2017年以来、見たことがないような動きだった」と投資会社、エフィシェント・フロンティア(Efficient Frontier)のアンドリュー・ツー(Andrew Tu)氏は述べる。
ビットコインで得た利益をアルトコインに
ビットコインの時価総額は1月8日に過去最高となったが、それ以降、減少している。ツー氏によると、一部のトレーダーがビットコインで得た利益をアルトコインに注いでいる可能性があることを示しているという。
CoinDeskがすでに伝えたとおり、機関投資家主導でビットコインが上昇したことを受けて、個人投資家やトレーダーも「FOMO(機会を逃すことへの恐怖:fear of missing out)」から上昇局面でビットコインを購入した。
新規参入した投資家の中には、ビットコインは高値で取引されているため(わずかな量を購入できることに気づかずに)、比較的低価格で手が届くように思えるアルトコインを物色する動きが見られる。
その一例が、リップル(XRP)の最近の2桁台の上昇だろう。米証券取引委員会(SEC)によるリップル社の提訴に関するニュースを受け、価格が急落した直後に不可解な上昇が起きた。
DeFiトークンも上昇
ツー氏は、DeFi(分散型金融)トークンが特に力強いパフォーマンスを見せていると話す。
例えば、他の資産の価格を反映した合成トークンを発行・交換できるDeFiプラットフォームのトークン「シンセティックス(SNX)」は1月12日、約16.01ドルとなり、史上最高値を更新した。日本時間13日14時時点では、15ドル付近で取引されている。
メーカー(MKR)、コンパウンド(COMP)、Aave(AAVE)、ユニスワップ(UNI)などの主要なDeFiトークンも同様の上昇を見せた。
しかし、アーケーン・リサーチ(Arcane Research)は、1月12日の最新の市場レポートで、そうした「アルトコイン投資」のリスクを警告している。
「ビットコイン価格の上昇がアルトコインに波及したと言って良いだろう。アルトコインは先週、きわめて大きな上昇を見せた。しかし、ビットコインが1月10日と11日に下落するなか、アルトコインはさらに大きな値動きを見せ、アルトコインの動きは高いリスクに基づいていることを裏づけた」(アーケーン・リサーチのレポート)
|翻訳:山口晶子
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:CoinDesk archives
|原文:Multiple Tokens See Rally Amid Looming ‘Alt Season’