アービトラム(ARB)とは? 特徴・チャート・取り扱い取引所・時価総額は?

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アービトラム(ARB)とは?

アービトラム(Arbitrum)はイーサリアムのレイヤー2のブロックチェーンであり、スケーラビリティ問題を解消するために開発されたプロジェクト。ガバナンストークンのARBは、DAOプロジェクトの運営や意思決定に関わる投票に参加するために使用される。

アービトラム(ARB)の基本情報

発行上限なし
承認方式
開始日2023年3月23日
中央機関Offchain Labs
オフィシャルサイトURLhttps://arbitrum.io/
ホワイトペーパーURLhttps://github.com/OffchainLabs/nitro/blob/master/docs/Nitro-whitepaper.pdf
公式X(Twitter)URLhttps://twitter.com/arbitrum

アービトラム(ARB)の特徴

2種類のブロックチェーンを目的別に開発

アービトラムには、「Arbitrum One」「Arbitrum Nova」の2種類のブロックチェーンネットワークが存在する。それぞれのネットワークは用途が異なり、Arbitrum Oneは、DeFi(分散型金融)NFT(非代替性トークン)の利用に適したものであり、Arbitrum Novaはブロックチェーンゲームや、ソーシャルアプリ向けに開発されている。ブロックチェーンネットワークを追加できる仕組みとなっており、2つのメインネットワークのほかにいくつかのテストネットワークが存在する。

Offchain Labsが独自開発するテクノロジースタック「Arbitrum Nitro」を採用

アービトラムでは、Offchain Labsが独自開発をするブロックチェーンネットワークのテクノロジースタックである「Arbitrum Nitro」を採用している。より早く効率的にブロックチェーンに対応したソフトウェアを構築することが可能となり、イーサリアムの互換性を得られるようになった。

Arbitrum Nitroにより、高い処理能力と安価な手数料を実現する「Arbitrum Rollup」、ブロックチェーンゲームとソーシャルアプリの開発のコストを大幅に削減できる「Arbitrum AnyTrust」の2つの技術を実装している。またイーサリアムとの互換性と暗号資産の移動は、「Arbitrum Bridge」によって可能となっている。

DAOによる分散化した運営

アービトラムは、DAOによる分散化した運営によって管理されている。当初は中央機関であるOffchain Labsによって管理されていたが、DAOによる運営に移行され、運営に必要なガバナンストークンであるARBが発行されるようになった。

アービトラム(ARB)の歴史

アービトラムはニューヨークを拠点とする企業であるOffchain Labsによって開発された。プリンストン大学の研究者であったEd Felten氏、Steven Goldfeder氏、Harry Kalodner氏によって創設される。2021年8月に当初のメインネットワークであるArbitrum Oneをローンチした。同年度には1億2000万ドルの資金調達にも成功しており、企業としての評価を上げている。2022年7月に2つ目のブロックチェーンネットワークであるArbitrum Novaがローンチされた。

2023年3月にDAOガバナンスへの移行を発表。条件を満たしたネットワーク参加者に対してガバナンストークンのARBのエアドロップが実施された。エアドロップの実施後に仮想通貨取引所に上場しており、日本では2023年8月にOK Coin Japanが取り扱いを開始。続いて12月にはbitbankが取り扱いを開始しており、国内でも取引ができるようになっている。

アービトラム(ARB)の今後

開発状況の進捗

アービトラムを開発したOffchain Labsは新規開発に積極的であり、新たな技術の開発に力を注いでいる。今後の開発状況の進捗によっては、アービトラムがブロックチェーン業界を大きく発展させる可能性がある。

アービトラムが新たに開発している技術にはArbitrum Orbitがあり、現在のレイヤー2からレイヤー3という概念を生み出し、さらなるトランザクションの処理スピードの向上と手数料の低下を目指す。加えて開発者に寄り添ったシステムを作り出すことを目標としている。開発に成功すれば数あるイーサリアムのレイヤー2ネットワークの中でも一歩進んだ存在になることが期待される。

DAOによる運営への変更が成功になるか?

アービトラムはOffchain Labsによる中央集権による管理から、DAOによる民主的な運営に変更された。イーサリアムのレイヤー2ネットワークとして、セキュリティを意識するなら中央集権によるリスクのある状況からDAOによる分散化した運営への移行は必要であった。

しかし、民主的な運営であるDAOが必ずしも正しい判断を下せるとは限らないため、長い視点で見ればこの変更が成功であったかどうかはまだわからない状況にある。DAOによるアービトラムの運営状況は、ARBの価格にも影響するため今後も注視していきたいところだ。

アービトラム(ARB)のチャート

以下がアービトラム(ARB)のチャートだ。2023年3月の上場後、一旦は急騰したものの、8月ごろまでは横ばいの状況が続いた。9〜11月頃までは安値圏で推移したが、2024年に入ってから価値が急騰する。1月に1ARB=2ドル台を突破し、その後、2.40ドルに迫る勢いで上昇した。

出典:CoinMarketCap

アービトラム(ARB)の時価総額

アービトラム(ARB)の時価総額は、2024年3月時点で約27億ドルとなっている。全暗号資産における順位は47位だ。

時価総額が近い暗号資産としては、45位のLido DAO(LDO)が約30億ドル、46位のCelestia(TIA)が約28億ドル、48位のMonero(XMR)が約26億ドル、49位のTHORChain(RUNE)が約26億ドルとなっている。

アービトラム(ARB)の購入方法

ARBを日本で最も最初に扱い始めたのはOK Coin Japanで、国内取引所ではbitbankでも購入できる。2023年11月にはBinance Japanも取り扱い開始を発表した。海外取引所でも購入可能であるが、CoinDesk Japanでは、金融庁に登録された国内の仮想通貨取引所で暗号資産を購入することを推奨している。

|文・編集:CoinDesk JAPAN編集部

|トップ画像:オフィシャルサイトより