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仮想通貨(暗号資産)のネオ(NEO)は、Dapps(分散型アプリケーション)を開発できる中国の上海に拠点を置くブロックチェーンのプラットフォームだ。イーサリアムのブロックチェーンを基盤としており、イーサリアムのERC20規格のトークンと同様にNEP-5企画で新たにトークンを発行できることから「中国版イーサリアム」と呼ばれることがある。
開発者視点では、PythonやC#などのプログラミング言語に対応していることから参入しやすい。日本国内では、OKCoinJapanで6月17日から取り扱いを開始している。本記事では、仮想通貨ネオ(NEO)の特徴、チャートと価格推移、今後の将来性、取扱取引所を紹介する。
ネオ(NEO)とは?
発行上限 | 1億枚 |
---|---|
承認方式 | DBFT(Delegated Byzantine Fault Tolerant) |
開始日 | 2014年2月 |
中央機関 | |
提唱者 | Da Hongfei, Erik Zhang |
オフィシャルサイトURL | https://neo.org/ |
ホワイトペーパーURL | https://docs.neo.org/docs/en-us/index.html |
公式TwitterURL | https://x.com/neo_blockchain |
ネオ(NEO)は、2014年にローンチされた際の名称はアントシェアーズ(AntShares)であった。しかし、2017年に現在のネオ(NEO)にリブランディングされた。当初は中国のパブリックブロックチェーンという印象が強いプロジェクトであったが、参入の敷居を下げる取り組みが功を為したことで、グローバルなコミュニティへと変化した。
ネオ(NEO)の特徴
ネオ(NEO)の特徴を3つ紹介する。
- 「NEO、GAS」の2つのトークンを採用するデュアルトークンモデル
- DBFTによるビザンチン将軍問題の対策
- Dapps開発者の参加に対する敷居が低い
「NEO、GAS」の2つのトークンを採用するデュアルトークンモデル
ネオでは、2種類の異なる使用用途を持つNEOトークン、GASトークンが存在する。1つのブロックチェーンに流通するトークンが2つあるモデルのことをデュアルトークンモデルと呼ぶ。NEOトークンはネットワークの管理に参加できるガバナンストークンの役割を持つ。投票への参加が可能であり、コミュニティの意思決定に関われる。
一方で、GASトークンは、スマートコントラクトの利用などコストの支払われるその名の通り、燃料の役割を果たすユーティリティトークンだ。NEOトークンを保有するとGASトークンが報酬として配布される仕組みとなっており、投票に参加することで獲得できるGASトークンも増加する。報酬を受け取るにはNEOに対応したウォレットの作成が必要だ。
DBFTによるビザンチン将軍問題の対策
ネオのコンセンサスアルゴリズムは、DBFT(Delegated Byzantine Fault Tolerant)を採用している。DBFTは従来のコンセンサスアルゴリズムであるPoW(Proof ow Work)、PoS(Ploof of Stake)よりも処理速度を高めた上で、ビザンチン将軍問題を対策している。
ビザンチン将軍問題とは、コンピューター科学において1980年代から指摘されており、P2P通信をはじめとする相互に通信し合うネットワークにおいて、悪意のある参加者がいる場合に合意形成が困難になる問題だ。
PoWは、改ざんが困難な合意形成の仕組みを取り、悪意のある参加者の参加を防いでいるが、ネットワークの参加者が増えるほど処理速度が減少するスケーラビリティ問題を抱えている。DBFTは合意形成の仕組みをより簡略化するために投票で承認をサポートする代表者を選出することで、処理速度を両立した上で、ビザンチン将軍問題を対策する仕組みを取っている。
Dapps開発者の参加に対する敷居が低い
ネオはDappsの開発ができるブロックチェーンネットワークであるが、スマートコントラクトの「NeoContracts」を適用することで、プログラミング言語の対応を中心に参加の敷居が低い特徴がある。PythonやC#に対応しているため、開発者が慣れ親しんだ言語を使ってネオのブロックチェーン上でDappsを開発できる。
ネオ(NEO)のチャートと価格推移
ネオは当初はアントシェアーズという名称であったが、2017年に名称を変更した後に価格が大きく高騰し、2018年1月に150ドル以上の最高値を記録した。しかし、2018年中に中国政府における仮想通貨規制が進むことで、NEOの価格は大きく下落している。
その後は名称変更前の低位の価格水準で推移するが、2021年に各国の金融緩和政策の影響でビットコインをはじめとする仮想通貨が大きく上昇したことを受けてネオの価格も上昇している。2022年は打って変わって各国が金融の引き締めを行い、FTXの破綻など仮想通貨全体のネガティブなニュースが続いたことを理由に下落が続いた。
2024年1月にビットコインETFの承認をきっかけに連動してネオの価格も上昇するが、7月現在では1月以前と同様の水準で推移している。
ネオ(NEO)の今後と将来性
ネオ(NEO)の今後と将来性に関するポイントを2つ紹介する。
- 中国政府の規制に大きな影響を受ける
- グローバル展開を含む大手との提携
中国政府の規制に大きな影響を受ける
ネオは中国の仮想通貨であることから、中国の仮想通貨に対する規制に大きな影響を受けやすい。実際に中国国内で仮想通貨の規制が進んだ2018年にネオの価格は大きく下落している。一時期は仮想通貨を全面規制する姿勢を見せていた中国であったが、実際には中国国内の株や不動産の暴落を受けて資金の逃避先に仮想通貨を選ぶ中国人投資家は多く、完全には規制されていないことが実情である。
中国は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタル人民元の導入を進めており、ブロックチェーンテクノロジーそのものに対しては肯定的な姿勢を見せている。
実情としては法律によって厳格に規制されているわけではなく、全面禁止には程遠い状況にあるが、資本規制から逃れるために仮想通貨を利用されることを中国政府は望んでいないため、慎重に規制の動向を見きわめる必要がある。
グローバル展開を含む大手との提携
ネオは中国国内において、中国政府と関わるデジタルIDサービスのTheKeyというプロジェクトと提携している。日本国内でも株式会社gumi Cryptosと提携することで、ゲームを通した国内進出を目指している。ネオがグローバル展開を含む大手との提携を進めるほど、知名度が向上し、価格の上昇も期待できるようになる。
ネオ(NEO)を取り扱う国内の仮想通貨取引所
ネオ(NEO)は、日本ではOKCoinJapanで取引できる。海外取引所でも購入可能であるが、CoinDesk Japanでは、金融庁に登録された国内の仮想通貨取引所で暗号資産を購入することを推奨している。
|文・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|トップ画像:公式サイトより