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暗号資産「NEM」(ネム)は、仮想通貨の時価総額ランキングでは100位以下と順位は低いものの、注目度は今なお高い。セキュリティの高さや処理速度の速さなどに強みがあり、今後の値上がりに対して期待する声も一定程度ある。
この記事ではNEMの基礎知識について解説した上で、NEMへの投資を検討している人や、今後保有を続けるかどうか迷っている人に参考になるよう、市場で取引されるようになってからのNEMの値動きや今後の価格推移の予想などを展開していく。
ネム(NEM)とは?
新しい経済運動(New Economy Movement)の略称
ネムとは、2015年4月から販売開始されている仮想通貨のことである。新しい経済運動を意味する英語のイニシャルから名付けられている。ネムとは正確には通貨名ではなくプラットフォーム名で、通貨名はゼム(XEM)だ。しかしネムは通貨の通称としても一般的に浸透している。
ネムは将来性の高い仮想通貨として、ユーザーに広く知られているが、その知名度を一気に高めた出来事といえば、やはり2018年1月に発生したコインチェックの「ネム流出事件」だろう。約580億円分もの巨額がハッカーによって盗まれたことは、多くの関係者に衝撃を与えた。
大きな事件があったものの、ネム自体は非常にセキュリティ性の高い仮想通貨で、事件によって価値が下がることはなかった。2020年11月にはカタパルトアップデートが発表され、2021年3月にSymbol(XYM)という新しい仮想通貨を生み出している。2021年10月にはbitbankとGMOコインが相次いでSymbol(XYM)の取引を開始し、注目を集めた。
ネムは現在、国内の仮想通貨取引所ではコインチェック・DMM Bitcoin・Zaif・GMOコインの4ヶ所で取引が可能。今後は売買できる取引所がさらに増えると期待されており、ICOができる仮想通貨として将来性が高く評価されているため、これから仮想通貨の取引を始めたい初心者の方にもおすすめの銘柄である。
ネム(XEM)の価格推移
XEMは2017年、この年は後半まで目立った動きはなかったが、12月9日、ネムと中国のメッセージアプリWeChatとの連携に関するニュースが流れ、思惑により知名度と価格を上昇させた。しかし一転、誤報であることが判明して下落した。
2018~2019年にかけてはコインチェック事件でXEMは暴落する。最高値208.34円から10円を割る水準まで下落した。2020~2021年は、ネムの新しいプラットフォームであるシンボル(symbol)が発表されたことで、価格は上昇基調となる。過去最高値には届かないものの、80円台半ばまで急回復をみせた。
2022年はビットコインなどの値動きとほぼ同様となり、下落の一途を辿る状況だった。2023年は2月と7月に2度の高騰をみせるが、価格は1XEM=10円以下での推移だった。2024年に入ってからは上昇基調にあるが、過去最高値からははるかに安い水準となっている。
まずは今後1XEM=100円台までいつ回復できるかが注目点となりそうだ。
ネムの特徴
セキュリティが非常に高い
コインチェックの流出事件のイメージが強いネムだが、ネム自体にセキュリティ的な欠陥があったわけではない。実のところ、ネムはセキュリティが非常に高い仮想通貨である。例えば、ハッカーがネムの情報を改ざんしようとしても、排除するシステムを持っている。数ある仮想通貨の中でも、ネムのセキュリティは高く評価されている。
ネムのセキュリティは、他の仮想通貨とはやや違ったシステムによって成り立っている。ブロックチェーンのデータベースが相互に監視を行うことにより、悪質なノードをいち早く発見できる。このような質の高いセキュリティがあるので、大企業のみならず国家までも安心してネムを利用している現状がある。
処理が速く早いため、スピーディーな取引が可能
ネムは取引のスピードが速い仮想通貨だ。ビットコインと比較すると、ビットコインでは取引が承認されるのに10分ほどかかるのに対して、ネムでは取引の承認に1分ほど。取引に時間がかからないことは、特に複雑な取引のときや取引額が大きいときに効果を発揮する。
この差はブロックチェーンに関係している。仮想通貨では取引が行われるとき、ブロックチェーン上に新たなブロックが形成されるが、ビットコインはブロックの形成に複雑な計算が必要なため、承認されるまでに時間がかかる。一方でネムはブロックの形成に時間がかからないため、素早く承認が行われるのである。
トランザクションの承認システムが独自
トランザクションとは、仮想通貨においては取引の記録のことを指す。このトランザクションを承認することによって、仮想通貨の取引が成立する。ネムのトランザクション承認は、PoI(Proof of Importance)というシステムによって成り立っており、PoIには独自の特徴がある。それは「貢献度」によってマイニングの成功率が高くなることである。ネムを長期間保有していたり、所持しているネムの数量が多いユーザーは貢献度が高いとみなされて高評価される。このような承認システムはネムを所持することの価値を高めており、「ハーベスト」と呼ばれている。
ビットコインのトランザクション承認は、PoWというシステムのもとに成り立っているが、複雑な計算によりマイニングが成功するシステムのため、高性能なコンピュータを使用できるユーザーが有利となる。ネムのトランザクション承認システムは、これとは全く方向性が異なるため、誰にでもチャンスがあるのが特徴だ。
通貨の供給量の上限が決まっている
ネムの発行数は現在89億9999万9999枚で、すでに上限に達している状態。新規発行される予定はない。発行上限を設けることにより、通貨が増えすぎてデフレのような状況になることを防止しており、将来ネムの市場評価が高くなった場合、その希少性による価格上昇も期待できる。
先述した通り、ネムには発行上限があるため、ビットコインのようなマイニングはない。その代わりにハーベストと呼ばれる実質マイニングがあるのが特徴。
ハーベストに参加するには、10,000XEMが必要で、2022年6月時点でのネムの価格で換算すると、5~6万円ほどになる。ネムの公式サイトから専用のウォレットをダウンロードしてネムを入金すると、一定の期間ネムを保有し続けたり、多くの取引を行ってネムの流通に貢献すると報酬が得られる。
また、ネムを購入するには仮想通貨の取引所が必要になるが、セキュリティの観点からも国内取引所を使うことをおすすめする。特にCoincheckは、ネムはもちろんのこと、他の将来性が高い草コインを多く扱っているためおすすめである。
ネム(NEM,XEM)と他通貨の違い3つ
1. 承認方式:PoI
ネムの他の通貨との違い1つ目は、取引承認方式に独自アルゴリズムのProof of Importance(PoI:重要度による証明)を採用していることである。
PoIではネムの保有数や送金頻度などを元に「PoLスコア」が作られ、スコアによってユーザーの重要度を決定される。つまり、ネムネットワークをより多く利用する人が報酬をもらえる仕組みとなっている。
旧来のProof of Work(PoW)では、高性能のパソコンが必要で、財力を持ったマイニング業者が報酬を総取りする「資本力による独占状態」が続いていた。
ネムは平等主義を尊重しているので、ネムネットワークを使えば誰でも公平に報酬が分配されるシステムとなっており、何より、大量の電力を消費するPoWよりエコなシステムとして注目を集めている承認方式である。
2. 承認報酬:ハーベスト
2つ目は承認作業の違いである。
ビットコインでいう「マイニング」にあたるのが、ネムの「ハーベスト(ハーベスティング)」と呼ばれる承認作業である。10,000XEMが最低限必要にはなるが、ネムの公式ウォレットであるナノウォレットに一定期間ネムを預けることで、誰でも参加可能である。ハーベスティングでは、承認作業参加者に対してランダムで報酬が支払われるため、一般人でも参加して報酬を受け取ることが可能となっている。通常のマイニングであれば、一番早く計算できたマイナーに報酬が支払われるため高性能の機能を持っているパソコンが必要となるが、ハーベストでは必要ではない。
加えてPoIスコア(=プラットフォームへの貢献度)が高いほど報酬をもらえる確率は上がるので、個々人がプラットフォームを利用する動力にもなっている。
3. アポスティーユ(公証)機能
3つ目が、アポスティーユ(公証)機能である。
これは、ブロックチェーン技術の強みである「改ざんされない」ことを応用したネムの独自機能で、土地の所有権や遺言など正当な存在根拠に第三者の確認(チェック)が必要な公文書のことである。
これにより、書類の改ざんを防ぎつつ、今までかかっていた時間や手間を省くことのできる機能になっており、下記のような機能で期待がされている。
- 土地や美術品の所有権
- 企業の監査データ
- 契約/債務情報など
他にも記録に公的な証明が必要なものであれば、何にでも応用することができる拡張性の高さがネムの評価の高さにもつながっている。アポスティーユ機能が一般化すれば、今後のネムの需要や価格も上がることになるだろう。
シンボル(Symbol)とは
ネムの大型アップデートで生まれた新しいプラットフォーム
シンボルとは、ネムが2020年11月に発表したカタパルトアップデートを経て生まれた新しいプラットフォームである。2021年3月から運営を開始し、ジム(XYM)という新しい仮想通貨を発行した。シンボル(XYM)は2021年10月にbitbankとGMOコインが相次いで取り扱いを開始し、注目を集めている。
また、コインチェックは同じく2021年10月にSymbol付与を行うと発表しました。その条件も併せて発表されています。2021年3月12日のスナップショットが行われた時点で、コインチェックの口座にネムを保有していたこと。さらに、Symbolを付与した時点で通常通りの利用を継続できるユーザーを対象としている。
その他の取引所の動きは、ZaifとサクラエクスチェンジもSymbolの付与を行うことを発表しました。その他のネムを取り扱っている取引所はSymbolの付与に関しての発表を行っていないため、今後の対応が注目されます。
Symbolに関する大きなニュースの1つとして、大規模なプロジェクトのプラットフォームに採用されることが決まったというものがある。2022年にカタールで行われるサッカーワールドカップに関連するホテルの建設を、多国籍企業の「Bimtrazer」が請け負っており、その大規模な工事を管理するプラットフォームとして、Symbolが選ばれたのである。
ゼムとの違い
ゼムからジムにアップデートされたことにより、いくつかの違いが生まれてきている。1つは、元々高かったセキュリティ性がさらに向上したことだ。その要因はブロックチェーンの仕組みがアップグレードしたことと、マルチシグというシステムの導入による。
ブロックチェーンのアップグレードにより、処理速度の向上も実現しており、その速さは1秒間に約4000件ものトランザクション承認が可能というものである。同じく処理速度が速いことで有名なリップルでも、1秒間に1000~2000と言われている。取引の承認が速いということは、複雑で大規模な取引も迅速に行えるの可能性を秘めているということである。
ネムはブロックチェーンがパブリック方式のみであったのに対し、Symbolはパブリックとプライベートのハイブリッド方式になった。このことが取引のさらなる高速化を生み出している。
また、コンセンサスアルゴリズムにも変化があった。ネムのPoIに対し、SymbolはPoS+という形式にアップグレードされている。元々環境に優しかったPoIよりもさらに省電力化が進み、「51%攻撃」と呼ばれるリスクに対するセキュリティも向上したのである。
ネム(NEM/XEM)とSymbol(XYM)の時価総額ランキング順位
NEMとSymbolの時価総額ランキング順位は、CoinMarketCapによれば、2024年4月時点で189位となっており、時価総額は約480億円だ。一方のSymbolの順位は345位で、時価総額は約210億円となっている。ちなみにランキング1位のビットコインの時価総額は約187兆円だ。
ネム(XEM/Symbol)が将来的に伸びる可能性が高い理由
セキュリティが非常に高い
前述のように、ネムは非常にセキュリティ性の高い仮想通貨である。悪意のある侵入者が情報を改ざんしようとしても、EigenTrust++(アイゲントラスト)というシステムが除外してしまう。その他にもマルチシグという複数の署名を設定して、取引の安全性を高めることも可能だ。
また先述した「51%攻撃」に対するセキュリティが向上したことにより、通貨の価値を下げるような悪意のある攻撃を受けるリスクが低減した。このことはSymbolの価格が安定することに貢献し、流通の活性化にもつながるだろう。
各国政府との連携がある
ネムは以前から各国政府との連携を行っており、例えば2018年にはアラブ首長国連邦と、2019年にはマレーシアとも連携している。コロンビアでは公共機関でSymbolの採用も決定した。国家レベルで支持されていることは、ネムの大きな信用につながるだろう。
mijinの普及の可能性がある
mijinとは、大阪市に本社を置くテックビューロホールディングスが提供するプライベートブロックチェーンである。このmijinはネムをベースに構築されており、互いにリンクすることができる。すでに400以上の企業がmijinを利用している。
今後さらに仮想通貨が利用されるようになると、mijinのようなプライベートブロックチェーンが求められる可能性が高くなり、ベースとなっているネムの価値も上昇することが見込まれている。
拡張性が高く、個人でICOを行える
ネムは拡張性の高い仮想通貨で、さまざまなアプリケーションのベースとして利用できる。mijinもその一例で、ネムのプラットフォームを利用して作られている。またネムの拡張性の高さはICOにも活かされており、個人でもICOに参加が可能となっている。ICOにより独自のトークンを発行して資金集めを行い、企業活動を活性化させることにネムが貢献していると言えるのではないだろうか。
FIFAワールドカップのホテル建設プロジェクトのプラットフォームに採用
カタールで2022年に開催予定の「FIFAワールドカップ」のホテル建設プロジェクトにおけるプラットフォームにネムの新ブロックチェーンのシンボル(XYM)が利用される。南米に拠点を置くグローバル企業「Bimtrazer」がカタール建設企業と共にホテル建設プロジェクトを進めており、建設企業はBimtrazerの管理ツールBIMを使用する。BIMは建設を監督するツールであるが、シンボルを用いることにより、建設監査において改ざん不可能な仕組みを構築することが可能だ。
シンボルは高度なセキュリティ・スケーラビリティ・速度などの優良技術を持っていることが評価されており、FIFAワールドカップに限らず、さまざまな形で利用されることが期待されている。
ネム(XEM/Symbol)の今後の見通し
シンボルのNFT市場への参入
ネムは2021年5月に、SymbolによるNFT参入を発表している。スポーツ界のスター選手を題材としたNFT商品を手がけていくとのことで、NFTは2021年から本格的に広まった。今後もNFTは注目を集め続けると見られており、ネムのこうした動きはユーザーに好意的に受け取られている。
カタパルトアップデートによるDeFi市場への参入
ネムがカタパルトアップデートを行ってSymbolを生み出したことにより、DeFiのような分散型アプリケーションへの参入が期待されている。2021年4月にはFantom Foundationと提携を発表した。
Fantomは分散型アプリケーションの開発を行っているプラットフォームで、Symbolが今後Fantomの活動に利用されると思われる。これによりSymbolとネムの市場価値が上昇することが期待されている。
現在ジムを持っているユーザーはシンボルに移行すべきか
1ネム(XEM)=1ジム(XYM)で自動的にオプトインが行われる
ネムがSymbolにカタパルトアップデートされたことにより、ネム所有者はオプトインが行えるようになった。オプトインとは、ネムをSymbolに交換することを求める意思表示のことで、これには自分で行う方法と取引所に仲介してもらう方法がある。自分で行うことが難しい場合は、対象の仮想通貨の取引所に依頼しよう。
実際にいつ配布されるのかは取引所ごとに異なる
オプトインを行っても、実際にいつシンボルが配布されるかは取引所によって異なる。またオプトインの期間は6年間と定められており、6年を過ぎると交換できなくなるので注意が必要。
現在ジムを所持しているユーザーがSymbolに交換すべきか、迷った場合はオプトインしたほうが良いだろう。Symbolはネムのメリットをさらに向上させており、拡張性の高さもあって今後さまざまな分野に応用が期待される。
ネム(NEM/XEM)の購入方法
ネム(NEM/XEM)を売買できる日本国内の取引所は以下の通りとなっている。ちなみにシンボル(XYM)も以下の全ての取引所で取引することが可能だ。
ネム(NEM/XEM)に関するFAQ
ネム(NEM/XEM)とはどんな仮想通貨?
2015年4月に取引が開始された暗号資産で、「New Economy Movement」の頭文字をつなげて「NEM」と呼ばれている。
ネム(NEM/XEM)の価格の2度のピークは?
2018年と2021年に2度のピークを迎えている。2018年は1NEM=208円まで価格が高騰し、2021年は84円まで価格が上昇した。
ネム(NEM/XEM)の特徴は?
主な特徴を挙げると4つある。セキュリティの高さ、処理速度の速さ、トランザクション承認に関する独自システム、通貨の供給量の上限が決まっていることだ。
Symbol(XYM)とは?
2021年のネムの大型アップデートで発生した新たな仮想通貨だ。2021年3月にネムを保有していた人にXYMが付与され、現在はネムとXYMがそれぞれ別な値動きをしている。時価総額順位ではネムの方が上だ。2023年9月時点で、ネムが時価総額320億円で114位、Symbolが時価総額180億円で238位となっている。
最後に
ネムは今後ますます注目される可能性が高い仮想通貨。カタパルトアップデートを実施したことで、元々あったメリットが飛躍的に向上した。
特にセキュリティと処理速度の速さは、数ある仮想通貨の中でも特筆すべきレベルであり、処理速度の速さは取引を円滑にし、国際的な送金に大きく貢献する可能性を秘めている。
それに加えてプライベートブロックチェーンや分散型アプリケーションへの応用も期待されており、その将来性は非常に高いものである。ネムやSymbolの購入を検討している方は、この機会にぜひ仮想通貨取引所の口座を開設しよう。